多言語を考えるということがテーマでしたが、それぞれのリサーチの構想を発表してもらって終わってしまいました。
言語教師認知の研究は、言語にかかわる人、特に教師が何をどう考え、どう行動し、どう振り返っているか、を探求することを目的にしています。その探求が、教師であれば、自身の教え方や学び方の改善につながり、教師でなくても、自分が活動しているコミュニティ(法律やビジネスや科学技術など)での言語の役割を考え、その意味から、言語教育全体のあり方への提言ができるだろう、ということに貢献すると考えます。
それぞれの人の視点が多様で、発表やレポートが楽しみです。授業のときにも言いましたが、失敗してもかまわないので、チャレンジしてください。また、大胆な仮説や提言は大歓迎です。
教育実習を経験する人は、まさにフィールドワークの現場にいて、教師の仕事を観察する絶好の機会です。つまり、エスノグラフィーです。
また、教育とはまったく関係のない人も、どの分野でも言語は重要ですから、その視点から様々に調査は可能です。
調査の基本は、自分自身のデータを集めること です。それから、それに関連する文献 を確認し、どのようなことを背景に データを見て、分析すること です。
具体的には、
アンケート
観察
インタビュー
日誌
など。
とりあえず、あまりむずかしく考えないで、取り組んでください。
多言語のことは、時間がなくなって話すことはできませんでしたが、多くの国や地域は多言語多文化です。
人はみな違った複雑な認知システムのもとに行動する
が、私の基本的な思想です。それをもとに、
言語教師は、みな複雑な認知システムのもとに、信念を持ち、考え、知識を積み、学び、教え、振り返る
という前提を立てて、この研究をしています。
そこで、多言語をどう意識するかは、日本の英語教師の立ち位置をある程度決めている可能性があるでしょう。多文化もそうです。
「英語は小学校からしっかり教える」
「まず日本語を教え、思考力を身につけ、それから英語を教える」
どちらも多少の根拠があり、議論の背景により、出てくる結論は別になる可能性があります。私個人は、あまりその議論に参加したくはありません。選択は、学ぶ側にあると考えるからです。
多言語は自然です。おそらく日本もどんどんそうなっていくでしょう。当然、多文化状況となります。
ことばは重要です
それは日本語が重要だという意味ではなく、「ことば」あるいは「言語」です。
CEFRについて多少勉強していただきたいと思います。 また、私は次のような研究をしています。
LSP教員研修
興味のある人は参照してください。
次回は、それぞれの方のリサーチの準備を主とします。時間があれば、これまで考えたことを整理して、言語教師認知を考えましょう。
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