2011年5月17日火曜日

言語教師認知について概説

前回述べたことをまとめると次のようになります。

・「認知」という用語の問題
・基盤となる社会的認知(social cognition)の考え
 
  人は意図的に環境に影響を与える。
  人は認識を返す。
  社会的認知は自己とかかわる。
  社会的刺激は認知の対象となることで変化する。
  人の特性はそれ自体を考えるのになくてはならない観察不可能な属性である。
  人は、モノが通常変化するよりも時間や環境とともに変わりやすい。
  人についての認知の正確さはモノについての正確さよりも確認するのがむずかしい。
  人は不可避的に複雑である。
  社会的認知は自律的に社会的説明とかかわる。

・ビリーフ研究
・ビリーフと知識と行動
・学習者の研究
・学習者と教師の自律

そこで、私自身は次のように言語教師認知の研究を考えています。

言語教師認知の研究は、大きく変わりつつある言語教育のパラダイム、たとえば、学習者の自律、ICTの利用、CEFRなどの言語教育の枠組、スタンダード、LSP、CLILなど、を英語教師が理解し、効果的に活用することによって、自身の授業を考え直す一つのきっかけとなります。言い換えれば、言語教師認知の研究は、教師のリフレクションやアクションリサーチにつながるのです。さらに言えば、教師認知の研究は、結局は、授業改善、学習、学習者の研究と大きく関連します。単に教師の社会学としても意味がないし、教師の心理学と考えるのも発展性がないのです。

結局、どのような話題であっても、教師にかかわることはすべてテーマです。しかし、それが意外に分かっていないことが多いのです。それぞれ興味のあることをリサーチしてみてください。

次回は、それぞれのリサーチデザインを考えましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿