2016年12月11日日曜日

規範意識とほめ方・叱り方

まず、レポートについて少し訂正して詳しく書いておきました。読んでください。

リサーチデザインとレポートと評価について


Sさんの発表でした。ありがとうございます。簡潔な発表でしたが、色々と考えさせる問題で面白かったですね。内容は、文献にもとづいた内容で、一般的な規範意識とほめ方・叱り方の話でした。レポートは実態や事実や事例などを期待しましょう。

さて、学校であれ塾であれどこであれ、指導する立場の人とそこに集う人はある規範意識を持つ必要があります。言い方を変えれば、ルールが必要です。ゲームをするにはルールがなければ面白くないし、成立しません。サッカーがあれほど世界中に広がり愛されているのは、シンプルであるにもかかわらず、不十なルールがしっかりしているからでしょう。つまり、便利は手が使えない、というルールです。

学校での規範意識は、生徒指導や道徳教育と結びつきます。政策的には、文部科学白書などで言及されます。

第4章 世界トップレベルの学力と規範意識等の育成を目指す初等中等教育の充実

また、東京都は教師や大人にアンケートをして次のような冊子をまとめています。

子供たちの 規範意識を - 東京都教育委員会

教育の領域でかなり議論されている内容です。私塾などでの教育も基本は同様の考え方をしていますが、おそらく寺子屋的な日本の伝統的な教育に根ざした規範をこどもに提示しているようです。

英語では、norm awarenessという言葉がそれにあたるのでしょうか?昔は、教師教育をする高等機関を、normal school(師範学校)と言っていました。つまり、教師自体が規範を示すことがまず内在化しているということでしょう。今はそうは言いません。規範は教育と文化とは切っても切れないものです。他の国との比較は結構難しいかもしれないですね。英語という授業を考えた場合は、その授業の中でもルール設定は意外に悩みます。英語のコミュニケーション能力を育成し、英語を使う文化に触れながら、英語を教えるとすると、インターカルチュラル・コミュニケーション能力(intercultural communicative competence)を考慮する必要が出てきます。

Sさんは英語の教師ということではなく、ほめ方・叱り方について話をしました。一般的な規範とそれに基づくほめ方・叱り方ということです。おそらく、ある程度の方法論は当然あるでしょう。そのテクニックも理解しておくことは重要だと思います。

授業でも議論がありましたが、ほめ方・叱り方には人それぞれです。また、状況に応じると思います。誰かの真似をしてその通りやってもうまく行かない場合があります。また、本に書いてあったことをそのままやってもすべてその通りの結果が得られる訳ではありません。Sさんも多分そのことは分かっていて、規範意識との関係性を考えたいのだと思います。

有能な教師は、規範をうまく作り、こどもの扱いが上手な人だと思います。そのコツを理解して、それがうまく使える人です。個人的には、ほめ方・叱り方などということではなく、多分教育の本質がプラグマティックに分かっている人だと、私は思います。

この授業は英語教師を考えるという枠組なので、英語教師に関して言うと、私自身はやはり英語を学ぶ意欲を生み出す環境とコミュニケーションということを意識できるルールを授業に導入することが大切だと思います。英語を学習とばかり考えていては、いつまでも学習から抜け出せません。使うことが大切です。また、それに関わって、ほめる、叱るということを考えると、的確に英語に対する積極的な意識をほめて、英語に対する消極的な意識を叱り、あるいは、諭し、自律して英語を学ぶ力を身につけられるように支援します。うまくいくかどうかは、結局学習者にあります。教師はそこまで責任を負う必要はないでしょう。

レポートでは、実態を踏まえて、ぜひ深く探求してみてください。








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