2015年6月8日月曜日

第1回発表

第1回の発表です。

毎年、メンバーが変わると展開も異なります。英語教師をどのような立場でどう見るか、あるいは、そこに集まった人が英語教師という対象をどう考えているか、という相互作用です。

今年度は今年度でおもしろい展開になっています。基本的に私は「何かを教えよう」とは考えていません。それぞれがどう「英語教師」という対象をどう考え、興味を持ち、探求するかを、いっしょに考えていくというスタンスです。

本日は、その第1回発表です。

1. Tさんの「理想の授業」

自分の母校の英語教師の教え方を振り返って考え、その教師にインタビューしました。ポイントは、教師の海外体験ということがどのように教え方に反映するかということです。調査の視点はとてもおもしろいと思いました。日本の英語の教師の中で、それほど多くの人が海外での生活や学習の経験しているわけではありません。海外での体験は教師の教え方に大きく左右する可能性はあります。しかし、教師の教え方がそれだけで変わるかどうかはわかりません。これは直接「海外での体験が現在の指導にどう影響していますか?」という質問が必要で、それに対して、さらに追求してみる必要があるでしょう。

私は、それよりも、Tさんの話を聞いていて、Tさん自身の「理想の英語授業」というものを知りたいと思いました。3人の先生の教え方、3人の先生とTさんとの相性、Tさん自身のカナダでの体験、そして、現在の英語とのかかわり、などなどです。

理想の授業というのは、だれもがばくぜんとイメージします。が、現実はそれほど簡単ではありません。コミュニケーション活動ばかりでもいけないし、英語で授業をすればよいというものでもありません。大学受験というニーズがあれば、それに応えるのが教師の役割でしょう。英語を使って仕事がしたいということがあれば、それを支援するのも大切です。英語でもどの言語も、使えるようになるためには、個々の努力が必要で、その努力を効果的に引き出して、支援することが、教師には求められます。

しかし、教師も自分の学習体験があり、英語学習のしかたに関するビリーフを持っています。また、それぞれの教師はそれぞれの性格があります。様々な要因が、授業での意思決定に作用します。また、そのときの状況により、予想もしない展開となることもあるでしょう。

海外の体験が教師の教え方を左右するとしたら、それは何か?また、その体験は、Tさん自身の体験と重ねてどうだろうか?文法や訳読などを中心とした教え方は、本当に、海外体験がないことと関係するだろうか?など、考えながら、Tさんの考える理想の教え方を整理してはどうでしょうか?Tさんの「こころ」が反映するとおもしろい探求となるように思います。その際に、この問題に関する文献を参照してみてください。

話を聞いていて、たぶん、Tさん自身の英語授業に対する思いを、この調査から、振り返ってみてはどうかと思いました。

興味深い話をありがとう。

0 件のコメント:

コメントを投稿