2012年6月14日木曜日

言語教師の認知(cognition)のとらえ方 3

フィンランドの言語教育と言語教師認知

前回は、Sさんに来てもらい、フィンランドの教員養成などについて話をしてもらいました。

フィンランドの言語教師教育には、私も関心があって、以前から調査しています。フィンランドは日本から較べれば小さな国ですが、小さな国だからできて、大きな国だからできないはまちがいだと思います。

フィンランドでもすべてのこどもが勉強しているのかと言えば、そんなことはありません。勉強しない子は勉強しないし、悪い人は悪いです。

Sさんは、タンペレ大学で1年間英語教育と英語教員養成について学びました。とてもよい経験をしたようです。私も、フィンランドの英語教育に注目したことは正解だと思います。特に、Sさんが、教育実習などの授業を多く見てきたことはとてもよいことだったと思います。

フィンランドの教員養成の基本は、リフレクション(ふりかえり)です。自分自身の力量を高めるために、自分で工夫して、自分で成長する。その際に、仲間といっしょに考えることがとても大切で、人のまねをすることを良しとしないようです。これは、生徒にも大きく影響することで、先生が自分で考えて授業をすれば、生徒も自分で考えて学ぶのだと思います。「学習者の自律」が教育にしっかりと取り込まれているのです。

「教え方」に正解はありませんが、独りよがりは困ります。きちんと理論に則ったプロとして「教え方」を科学的に考える期間が、教員養成です。特に、フィンランドの言語学習の特徴として、

Teaching      Studying     Learning

という三つの要素があります。言語学習は、「教えて、習う」ではなく、「学習する、研究する」が大切だということです。私にも具体的にどのような理念かはっきりとは分かりませんが、よく特徴を表していると思っています。

言語教師認知の研究では、このようなフィンランドの教師と日本の教師の考え方の比較をすることも重要だと思って実施しています。その際の調査の基本は、アンケートです。アンケートだけでも多くのことが分かります。たとえば、Communicative Language Teachingに関するアンケートを実施しました。結果はまだ公表していませんが、とてもおもしろい結果が出ています。

調査は、ある目的を持って行なえば、アンケート調査だけでもかなりのことが分かります。そこから、ある課題を抽出して質的調査を実施するとさらに多くのことが分かります.

Sさんのようなエスノグラフィーの調査は時間がかかりますが、言語教師認知の研究では重要な調査です。

いつもながら乱筆乱文で失礼。これは私のメモのようなブログです。間違いや誤解は許してください。

0 件のコメント:

コメントを投稿