2017年1月20日金曜日

英語教師の資質

Tさんは、英語教師の資質ということを、国、生徒、教師、保護者という4つの観点で発表しました。この4つの観点はとても面白いと思いました、とともに、たぶんそれぞれの見方はかなり違うだろうと予測できます。

教師という仕事自体が専門性の曖昧なもので、ある意味では、それぞれの国の政策で教師の資格を決めています。基本的には知識が要求されますから、大学卒であることですが、最近では、大学院卒が求められるようになっています。しかし、現実には公的な教育でない限り、そのような専門職の資格は曖昧です。発展途上国では教えることができる人が教えるということになり、仕事の質もあまりよくないこともあります。

教師の基本はteacherですが、educatorであることが求められます。教師になるには、教職科目という内容を学び、法律、理論、実践などを学びます。日本では他の国と比べると教師の仕事は「人格の完成」などと規定されるように全人的な教育が求められ、いつの間にか労働時間の長い、教科科目を教えることだけではなく、多様な教育活動を提供し、管理する役割を担うようになっています。

国レベルではそれに応える教師である必要があります。

生徒から見た視点は最も重要です。学校という文化の中で教師の存在は大きく、かなりの影響を与えます。良くも悪くも教師は社会の縮図で、教師の姿勢が生徒の行動を規定するでしょう。また、生徒の期待があれば、教師はその期待に応えようとします。その循環が今日の学校教育文化を作りあげています。

教師自身も教師教育の中で、あるいは、自分の学生生活を土台として、教師を演じます。また、教師同士の同僚性から教師文化ができ、教師の資質の概念が生まれてきます。

保護者もまた自分の学校生活での教師のイメージを持っています。そのイメージに沿った教育を自分の子供には期待するでしょう。

英語の教師に対しては、それぞれどのような期待をして、どのような資質を規定しているのかは、とても面白い課題です。簡単にはわからないことですが、それぞれの背景をベースに調査すると結果は興味深いです。

Tさんも発表で言っていましたが、昔調査したことによれば、英語の教師(あくまでも英語を教える人という意味です)の資質は、

英語力(知識と技能)
英語指導力(授業がうまく計画でき、展開でき、評価できる)
人間力(生徒を引きつける人柄)

の3つです。しかし、このように定義しても、実際はかなり複雑です。

Tさんの発表は素朴なものですが、この授業の本質的なところをよく捉えていて、興味深いです。

ありがとう。記録が遅れて申し訳ありません。ちょっと忙しいことが続きました。